特定健診のご案内
特定健診とは
糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、高脂血症などの生活習慣病の患者は年々増加し、現在では国民医療費のおよそ30%を占めるにいたっています。
これらの生活習慣病は個々の原因で発症するというよりも、肥満、特に内臓に脂肪が蓄積した肥満が犯人であると考えられています。 内臓脂肪蓄積により、さまざまな病気が引き起こされた状態をメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とよび、注目されています。
この特定健康診査は、糖尿病や高脂血症、高尿酸血症などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドローム(※)に着目し、この該当者及び予備群を減少させるための特定保健指導を必要とする者を、的確に抽出するために行うものです。
- メタボリックシンドローム/内臓脂肪型肥満と糖質や脂質などの代謝異常、または高血圧が合併した状態。心臓血管系の病気の引き金となるため、注目されるようになりました。
特定健康診査項目
メタボに特化した検査項目 |
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1.問診(生活習慣、行動習慣) |
2.診察(理学的所見) |
3.身体計測(身長、体重、腹囲、肥満度、BMI) |
4.血圧測定 |
5.血液検査(中性脂肪、HDL・LDLコレステロール、GOT・GPT、γ-GTP、血糖、HbA1c) |
6.尿糖、尿タンパクの有無の検査 |
7.医師の判断で選択的に実施する項目心電図、貧血検査、眼底検査 |
検査内容は上記の通りです。
従来の健診との比較では、腹囲が追加されており、男性が85cm以上、女性が90cm以上の場合、メタボリックシンドロームの基本要件を充たすこととなります。血液検査では、LDLコレステロール、HbA1c(グリコヘモグロビン)が必須項目として新たに追加され、総コレステロールが削除されています。胸部X線や喀痰検査が削除され、メタボに特化している点も注目されます。
従来の健診では、医療機関ごとに検査法、検査機器、試薬などの違いにより、基準値や健診判定値の違いがあるため、異なる健診機関のデータを比較することが出来ませんでした。しかし、この特定健康診査では実施した健診機関を問わず保険者はデータを一元管理し、リスクの高いものから優先的に保健指導を行うことが求められており、検査測定値の標準化を行うことが出来るようになっています。
生活習慣病のリスクが高い人は
特定保健指導
特定健診の指導から、生活習慣病の発症リスクが高い受診者に対して、医師、保健師、管理栄養士などによる特定保健指導が行われます。病気の人を拾い上げるのではなく、これから病気になりそうな人を抽出して医療関係者が早期に介入することが主眼となっています。
特定保健指導の内容は、受診者の状態に応じて、対面や電話、電子メールによる動機づけ支援(原則1回の指導)、積極的支援(3ヶ月から6ヶ月の継続的な指導)となっています。
保健指導対象者の選定方法
階層化条件 | 特定保健指導 レベル |
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腹囲 / BMI | 追加リスク | 喫煙 | 年齢 | |||
①血糖 ・空腹時血糖100mg/dL以上 又は ・HbA1c(NGSP) 5.6%以上 |
②脂質 ・中性脂肪150mg/dL以上 又は ・HDLコレステロール 40mg/dL未満 |
③血圧 ・収縮期130mmHg以上 又は ・拡張期 85mmHg以上 | ~64歳 |
65歳~ |
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腹囲 男性≧85cm以上 女性≧90cm以上 |
①~③のうち 2つ以上該当 | - | 積極的 支援 |
動機づけ 支援 |
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①~③のうち1つに該当 | あり | |||||
なし | 動機づけ 支援 |
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該当しない | - | なし | ||||
腹囲条件にに 該当しない場合 BMI≧25以上 |
①~③のうち3つに該当 | - | 積極的 支援 |
動機づけ 支援 |
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①~③のうち2つに該当 | あり | |||||
なし | 動機づけ 支援 |
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①~③のうち1つに該当 | - | |||||
該当しない | - | なし | ||||
上記以外 | - | - | なし |