現在、大阪府と大阪市により大阪ベイエリアの「夢洲」に巨大なカジノを建設する計画が進んでいます。「夢洲」と言っても、場所がピンとこない方も多いのではないでしょうか?下に地図を付けましたが、大阪湾の埋め立て地である「舞洲」のさらに進んだ海側のところが「夢洲」になります。トンネルや橋、鉄道が整備されてから私たちが行けるところになりますが、ちょっと考えただけで行くのがかなり不便な場所だと分かります。
ここにカジノが出来るのですが、すごく大きな規模になる計画で、賭博ゲーム/マシが6400台置かれるそうです。世界最大のベネチアンマカオが1700台ですからその凄さが分かります。計画では日本人が年間約一千万人カジノに行くことになり、1人当たり年間70万円、つまり年間7兆円ものお金を賭博につぎ込むことになっています。日本の中央競馬の年間売り上げは2兆3000億円らしいですから、約3倍にもなります。額が大きすぎて良く分かりません。私はちなみにパチンコ屋さんにも行ったことが無くて、賭け事とは無縁の人生を歩んできましたが、ギャンブル依存になったことがある方から「賭け事は、ダメだダメだと思っても、のめり込んでしまう。金額が大きくなれば余計にそうなる。カジノなんて作っちゃだめだ」と実感のこもった話をお聞きしたことがあります。事業者になる予定のMGHリゾーツと言う会社は、「カジノ来場者の2%がギャンブル依存症になる見込み」としています。そうすると年間20万人の日本人がギャンブル依存症になってしまいます。こんな事、医師として許せるはずがありません。
ホテル群も建設される計画ですが、総客室数2500で日本第3位の規模になるそうです。また、飲食/物販/サービス等の施設は31万㎡で日本第4位の広さになるとのこと。ピンときませんが、大阪人に分かるように説明すると、「イオンモールりんくう泉南」、「あべのハルカス」、「大丸心斎橋店」、「あべのキューズモール」を全て足したよりも広くなるのです。あんな離れた場所にわざわざそんなに多くのお客さんが殺到するでしょうか?
しかも元々ビル群を建設する予定で埋め立てていないですから、ゴミが埋め立てに使用されており、地盤が緩くて使い物にならないとのこと。1本1億円する杭を多数埋め込んで地盤強化すると聞きました。埋め立てられたゴミから出る毒素の問題や、必ず起こる南海トラフ地震が来た時の安全性の問題など、突っ込みどころはまだまだ満載です。
第一、自治体にしろ、個人にしろ、企業にしろ、お金を使うのならカジノなどに使ってほしくありません。もっと人の心を豊かにする文化的なものや、健康を支えるようなもの。暮らしに困難を抱えた方たちを支えるための資金に回してほしい。学べば学ぶほど、考えれば考えるほど、大阪カジノは「世紀の愚策」だと思います。私は大阪カジノに反対します。