現在イスラエルとハマスの戦闘が続いており、多くの罪のない市民が犠牲になっています。コンクリート製の分離壁で囲まれ、そこから出ることができず、種子島ほどの面積に222万人のパレスチナ人が強制移入されたガザ地区。ここへの水、電気、ガス、食料の供給を遮断。少し想像力を働かせれば、どの様な地獄絵図が展開されてゆくのかが容易に分かります。これだけでも大変な非人道的行為です。これに加えて、軍隊が突入して戦闘が行われるのです。これはもう「虐殺」と言って良い状況です。同じ人間としてこの様な事を許せません。即時停戦の声を世界中で上げてゆかなければなりません。
「地球沸騰」の時代と言われ、世界中が協力して二酸化炭素の排出を激減させ、持続可能な経済活動に切り替えて行かなければならないのに。戦争は究極の浪費活動でもあります。ロシアのウクライナ侵攻に加えての状況であり、「人類は何て愚かなのだろう」と希望を見出せない方も多いのではないでしょうか?ですが、「声を上げ続ける」ことが大切です。地球温暖化ストップの運動は、当時15才だったグレタさんが授業をストライキして地球温暖化に反対するデモを行ったことから、世界中の多くの若者の共感を呼び、大きく発展してきました。性暴力を根絶するための「#MeToo」運動や、人種差別に反対する「Black Lives Matter」運動も、市民が「自分達はこれを決して許さない!」と声を上げ続けることから世界中に広がったのです。 国連のダグ・ハマーショルド第2代事務総長が、1958年に言われた言葉を紹介します。この言葉に私は深く心を打たれました。
「私は、我々が破局に向かっていると信じる人々のグループには属していないのです。・・・これは私たちよりも古い世代が持っていたような、世界の最も有能な人々が全てを最善に導くだろうという危うい確信によるのではありません。もっと難しい確信によるものです。つまり、いつの世もこの世界には、未来をまともなものにするために闘う十分な数の人々がいるからこそ、未来は大丈夫だろうと確信しているのです。」
自分のためだけではなく他人のために、「今日よりもより良い明日を創ろう」と努力されている人々がたくさんいます。私たちは他者の苦しみに共感できるし、将来生まれてくるまだ見ぬ子供たちのために少しでも良い世の中を残そうと知恵を出し合い、行動することができます。人類はまだまだ捨てたものではありません。私はコロナが猛威を振るう中、東京五輪が開催されようとしたときに、耳原鳳クリニックの前で「東京五輪反対」のプラカードを持って毎朝スタンディングを行いました。たった一人で始めた行動でしたが、次の日、またその次の日と、職員や地域の方が一緒に参加してくれ、最後には大人数になりました。私がスタンディングを思いついたのは、東京の若い女性医師が英語で「東京五輪反対」のプラカードを持っている姿をSNSで見て共感し、「彼女に連帯したい」と思ったのがきっかけでした。「連帯は連帯を呼ぶ」のです。私のスタンディングの写真は新聞にも掲載され、全国の連帯に広がりました。たった一人でも声を上げることが大切です。連帯する人が出てくることを確信して。