美容的にも配慮
目次インデックス
お知らせ
INFORMATION
産婦人科を受診される方へ
2022年4月1日より、土曜日の診察は予約診のみとさせていただきます。
下記の場合を除き、直接来院されても診察はお受けできませんので、ご了承下さい。
【下記の場合は、予約なしでも診察をお受けします】
・紹介状をお持ちの方
*可能な限り紹介元より当院地域連携室を通して、予約をお取りいただきますようお願い致します。
・当院管理中の妊婦で臨時受診が必要な場合
2022年1月
耳原総合病院 産婦人科
婦人科
がんを含む婦人科疾患について
婦人科手術では腹腔鏡下手術を積極的に取り入れ、短期入院を実現しさらに美容的にも配慮しています。ウーマンズヘルスケアの治療に力を入れています。女性ホルモン療法、漢方療法などを組み合わせて治療を行います。
よくあるご質問
- Q婦人科の診察の流れを知りたい
- Q受診の時に何を持って行ったらいいの?
- Q医師の指定はできますか?
- Q気になる症状があるが、受診した方が良いのか分からない
- Q市民健診で子宮がん検診を受けるには?
- Q車いすですが、内診できますか?
- Q他院 又は 他科 受診時に婦人科の受診を勧められました。どうすればいいですか?
- Q予約すればすぐに診察してもらえますか?
子宮頸がん
乳がん検診
子宮頸がん検査・乳がん検査は、当院の健診センターで予約して検査を受けることができます。
詳しくは、健診センターにお問い合わせください。
(耳原総合病院・代表電話 072-241-0501)
手術成績
1. 安全性の向上
- 婦人科医師の技術向上努力
- 常勤麻酔科医師の確保
- 深部静脈血栓症対策
- 術創・感染対策
(特殊ボンド使用により、術創の感染が減少します。また、平均術後3日目にはシャワーも可能になります) - 患者さま確認バンド
2. 納得のいく説明
- すべての医療行為において、納得のいく説明を心がけていますが、中でも手術に関してはより時間をかけるように努力しています。
3. 美容面の配慮
- 可能な限り腹腔鏡下手術を行い、術創を小さくするようにします。
- 腹腔鏡下手術ができない場合も、可能な限り術創を小さくする努力しています。
- 術創の縫合は、埋没縫合と真皮縫合を基本としてます。
4. 疼痛管理
- 疼痛管理は、早期に体を動かすことを可能にし、血行を促進します。深部静脈血栓症予防と治癒を促進します。
- 麻酔科による硬膜外麻酔管理
- 他の鎮痛剤も適宜使用します。
5. 高度な腹腔鏡下手術の実施
- 他施設では開腹手術となるような巨大な子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術に対応しています。
(臍を超えるような大きな子宮に対し、腹腔鏡下子宮全摘術実施。子宮重量で最大3㎏程度の実績があります。) - 早期の子宮体癌、子宮頸がんに対し、腹腔鏡下手術の実施が可能です。(施設認定あり)
- 上記疾患に対し、他施設で腹腔鏡下手術は難しいと手術を断られた方などの相談にも、腹腔鏡下手術専門外来で対応しております。
以下は当科の手術統計です。参考にしてください。当科では、年々手術件数を伸ばしています。中でも腹腔鏡下手術・がん手術件数が増えています。
腹腔鏡下手術
腹腔鏡下手術を積極的に導入
十分な説明と同意(インフォームドコンセント)のもとに腹腔鏡下手術を積極的に導入しています。腹腔鏡の太さを5mmのものを使用しています。それにより、お腹の傷の縮小(5~10mmの傷が3、4カ所)、術後の痛みの軽減や入院期間の短縮を図っています。
さらに最近では、臍部に3本のポートを入れる方法(単孔式)を取り入れることで、症例によっては腹部の傷を一つにすることが可能となりました。臍部のみの傷の場合は外見的には手術をしたことが判別できないほどです。子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症、不妊症など、女性に多い良性疾患を中心に、手術適応のある症例は、できる限り低侵襲の腹腔鏡下手術や腹腔鏡補助下腟式手術を採用し、QOL(生活の質)を落とさないように配慮しています。
腹腔鏡下手術が困難な患者さんでも
- 膣式・腹式のアプローチの選択
- 美容的配慮から皮膚の縦切開・横切開の選択
- 小切開開腹、抜糸不要の皮膚縫合
など可能な限り患者さんの心身の負担を軽くするための選択を、ご希望をとりいれてながら決定しています。また、当院の麻酔科は手術前後の総合管理を目指しており、患者さんが安全に手術を受けられ、そして硬膜外麻酔の併用による術後の痛みの軽減など、快適に過ごせるよう努力しております。
腹腔鏡下手術の利点
- 体に対する負担が少ない
- 傷が小さく、美容上優れている
- 傷の痛みが少ない
- 入院期間が短い
開腹手術(大きな術創による開腹手術)と腹腔鏡下手術(極めて小さな術創による開腹手術)とでは、お腹の中で病巣の切除や癒着に対する剥離など手術の目的は基本的に同じでも、術後の疼痛、入院期間や社会復帰までの期間に大きな差が出ます。お腹を大きく切開すること自体そのものが、心身にとっては大きな負担(過大侵襲)になるからです。開腹手術ではおおよそ、術後10日から2週間の入院で、社会復帰は早くても術後1ヵ月以上あとになるでしょう。それに比べ、腹腔鏡下手術では当院では術後5日から7日間の入院で、1~2週間後の社会復帰が目安です。
また、術後の癒着(新たな痛みや腸閉塞、不妊をつくる可能性がある)は、切開・縫合・出血した後の傷にできやすいのです。さらに開腹手術は、お腹を切り開いている 分だけ内臓は外気にさらされ乾燥し小さな傷ができて、ますます術後に癒着が多くなります。(基本的には腹腔鏡下手術は閉鎖空間のため、ほとんど乾燥することはない。)一生の間に1回だけの手術で済めば幸せですが、 複数回の手術が必要になってくることが多々起きますので上記のデメリットを考えると、腹腔鏡下手術で、、、となるわけです。
腹腔鏡下手術の欠点
- 出血に対する緊急処置が困難
- 癒着が強いと手術が困難
- 見える範囲に限界がある(視野が悪い)
- 手術費用が高い。(入院期間が短くなるので総費用は開腹手術とあまり変わらない)
利点ばかり述べましたが当然デメリットもあります。一番問題となるのは、術中の不測の状況です。大きくお腹を開いていれば直視下で、術者の手による操作で早急に処置が施されますが、腹腔鏡下手術ではテレビ画面を見ながら5~10mmの細い手術器具で対処をしなければならず、早急で正確な処置が困難となります。たとえば手術操作で血管損傷を起こした場合、軽度の出血であれば容易に止血できますが、中等度以上の出血の場合は血液により視野が妨げられ、出血部位の確認が困難となり、開腹術(皮膚を大きく切開する)に移行しなければいけないことがあります。
次に重要なことは、腹壁や子宮、卵管、卵巣、膀胱、腸管などとの癒着の問題です。子宮内膜症や下腹部の炎症や以前に手術を受けたことのある人の中には、骨盤臓器同士や腹壁との癒着が強いことがあり、腹腔鏡下手術ができないこともあります。(軽度の癒着であれば腹腔鏡下に癒着剥離を行い、手術は可能となります。)いずれにしても慎重な手術操作で不測の事態を回避するよう最大限努力しています。
適応
- 子宮筋腫や子宮腺筋症(筋腫核出術や腹腔鏡下腟式子宮摘出術)
- 卵巣嚢腫などの良性腫瘍(付属器摘出術や卵巣部分摘出術)
- 子宮内膜症(癒着剥離術)
- 不妊症(多嚢胞性卵巣症候群や卵管に起因した不妊症の診断と治療)
LSC(Laparoscopic sacrocolpopexy) 腹腔鏡下・仙骨腟固定術
骨盤臓器脱の手術の1つで、医療用メッシュを仙骨靱帯と子宮頚部(または腟断端)固定し骨盤底を挙上させる方法です。
LSCのメリット
- 従来の方法と比較して、再発が少なく最も効果が高い手術です。
- 従来の手術方法では膣壁の縫縮の必要であり、性交に困難が生じるため、性交を必要とする方には施行できないことが問題でした。LSCは膣壁縫縮を必要としないことが多く、手術後も性交に支障が出ることはありません。
LSCのリスク
- 医療用メッシュ露出
医療用メッシュは人体にとって異物なります。改良が進み、人体に影響が少なくなるようになってきています。しかし、約2%程度腟内などに医療用メッシュが露出するとされています。現在は子宮頚部を温存することでリスクは軽減されています。 - 再手術
医療用メッシュの緩みや感染症を合併した場合、再手術が必要となることがあります。
NOTES(natural orifice transluminal endoscopy surgery)生理的開口部から内視鏡手術
NOTESは、鼻・口・肛門・膣などを利用した内視鏡手術の総称です。婦人科の場合、腹部に創部を作ること無く、膣のみを利用して、子宮や卵巣を摘出する手術です。
従来の腹腔鏡下手術との比較したNOTESのメリット
- 術後の疼痛がより軽減されます。
- 術後の回復がより早くなります。
- 術後の感染症がより少なくなります。
- 腹部に創部がありません。
従来の腹腔鏡下手術との比較したNOTESのリスク
- 変わりません。同じです。
- 視野が狭いため、巨大な子宮を摘出することは苦手です。
GelPOINT V-Pathを利用したNOTES(図の器具を膣に留置し内視鏡手術を行います)
図はApplied Medical社から引用
子宮鏡下手術
子宮を温存できる上に、短期の入院で済む
子宮鏡下手術は、内視鏡を子宮口から挿入して、子宮腔内の筋腫や内膜ポリープを可視下に切除する術式です。内膜ポリープは、不正出血や不妊症の原因となります。従来は内膜を全面に掻き出す方法がとられていましたが、正常な部分までを傷つける恐れがありました。子宮鏡下手術では、内視鏡で確認しながらポリープを切除するので、最低限の侵襲で済みます。
子宮筋腫の内で子宮腔内に突出するタイプである粘膜下筋腫が手術の適応となります。粘膜下筋腫はサイズが比較的小さいのですが、過多月経や不正出血による重症貧血、不妊症の原因となることが多いのが特徴です。そのため、早期に治療をしなければならないケースが多くなります。
子宮鏡下手術は、子宮を温存できる上に、短期の入院で済むため、手術を受ける決断をしやすい術式です。内膜ポリープや粘膜下筋腫の早期の治療に最適であると考えられます。
子宮鏡下手術の利点
- 体に対する負担が少ない
- 腹部を全く切開することがない(腹腔鏡下手術を併用する場合を除く)
- 子宮を温存できる
- 入院期間が短く(約3日間)、早期に社会復帰ができる
子宮鏡下手術の欠点
- ウロマチック(非電解質・低張液)による潅流を行うため水中毒のリスクがある。当科ではバイポーラを使用し電解質・等張液を潅流液として使用できるため水中毒のリスクがありません。
- 子宮腔内の感染や癒着のリスクがある。当科では、防止策によりこのリスクを最小限に軽減できると考えています。
- 子宮を温存するので、内膜ポリープや粘膜下筋腫の再発リスクがある。再発リスクは個々のケースで度合いが異なると考えますが、子宮温存や短期入院を希望する方にはメリットの方が大きいと考えます。
MEA(microwave endometorial ablation)マイクロ波子宮内膜焼灼術
月経量を減少させることを目的に、子宮内膜をマイクロ波で破壊する手術です。機能性過多月経、子宮筋腫や子宮腺筋症による過多月経、血液凝固不全による過多月経などが適応となります。
MEAのメリット
- 腹部に創部はできません。
- 子宮を温存できます。
- 入院期間が短いです。多くは2泊3日です。
MEAのリスク
- 無月経となるケースが多いです。
- 不妊症となる可能性が高いですが、妊娠するケースもあります。
- 追加の治療(ホルモン療法、手術など)が必要となることがあります。
- 悪性疾患や子宮筋腫の増大など新たな疾患が発生した場合、子宮全摘が必要となることがあります。
マイクロターゼAFM-712
図はアルフレッサファーマ社から引用
子宮動脈塞栓術
子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術 UAE
子宮筋腫は女性の20〜50%が罹患しているとされる良性腫瘍です。症状がなければ経過観察でよいとされますが、症状があれば対症療法、ホルモン療法、手術療法(子宮全摘術、核摘出術)、子宮動脈塞栓術が行われています。ホルモン療法は療法中のみに効果を認めて中止により再び症状がでるため、閉経や手術までの待機療法の意味合いで行われています。また、手術は根治療法としては優れていますが、侵襲が大きいこと、腹部にキズが残ること(腹空鏡下手術ではほとんど問題になりません)、妊孕性を失うこと、子宮を失うことへの心理的な問題が生じること(子宮喪失感)など、すべての女性の要望を満たしたものとは言えないのが実情です。
子宮動脈塞栓術は、子宮筋腫を栄養している動脈の血流を塞栓物質で遮断することで、子宮筋腫を小さくする方法です。子宮筋腫が小さくなれば症状の改善が期待できます。 子宮動脈塞栓術の効果をこれまでに報告されているデータで総括すると,子宮筋腫の体積は40〜70%縮小し、子宮筋腫に由来する症状(過多月経、月経痛)、圧迫症状(頻尿、下腹部の圧迫感、便秘など)が85〜90%改善します。
ただし,筋腫の縮小はゆっくりであり、治療効果を実感できるのは施術してから3ヵ月経過してからです。また、子宮全摘術と比較して症状の改善度が劣る場合があります。子宮全摘術と比較して術後の回復は早いです。成功率は、熟練した放射線科医が行った場合,95〜99%です。
当院の適応
- 子宮筋腫による過多月経、疼痛、圧迫感などの症状がある。
- 子宮がん、卵巣がんなどの悪性腫瘍、骨盤内の炎症などがある場合は適応外です。 子宮がん、卵巣がんは子宮全摘術が基本術式です。骨盤内に炎症がある場合、術後に炎症が増悪する場合があること・子宮へ炎症が波及する場合があること・敗血症やDICに発展する場合があることなどにより適応外となります。
- 挙児希望がある場合 将来的に挙児希望となる可能性がある場合は、原則的に適応外です。 術後に子宮全摘(確率は1%程度)・卵巣機能不全または無月経(確率は1〜14%)となることがあるためです。妊娠後も流産・帝王切開・分娩後出血のリスクが高くなる可能性があります。ただし、この治療法以外に治療方法がないと考えられる場合、希望者に対して十分にリスクを説明した上で、適応とする場合があります。例えば、子宮筋腫核出術で、核出術中に全摘になる可能性が極めて高い場合、あるいは核出術後、妊娠・出産の可能性が著しく低下してしまう可能性が高い場合などです。
- ホルモン療法中は適応外になることがあります。 偽閉経療法中は、子宮動脈が細くなるため,子宮動脈塞栓術が成功しない確率が高くなります。偽閉経療法終了後、3ヵ月経過すれば可能です。女性ホルモン剤内服中は血栓症のリスクがあります。ホルモン剤内服終了後、1ヵ月経過すれば可能です。副腎皮質ホルモン内服中は易感染性であることがあり慎重に対応します。
- 妊娠中は適応外です。 子宮動脈の血流を遮断もしくは減少させますので,胎児・胎盤に悪影響が出ます。
- 閉経後や閉経が近いと考えられる場合は適応外です 自然な症状の改善が期待できるためです。閉経まで待機できない場合、希望者に対して十分にリスクを説明した上で適応とする場合があります。
- 易感染性、免疫不全、出血傾向、ヨードアレルギー等がある場合は適応外です。
子宮動脈塞栓術治療のスケジュール
- 子宮動脈塞栓術の適応を判断する
- 術前検査を行う 肝機能・腎機能・肺機能・心機能・止血機能・感染症などを外来で検査します。 単純CT、造影CT、CTA、造影MRIを行っています。
- 手術の前日入院します
- 硬膜外麻酔のカテーテルを留置:麻酔科専門医が入院日もしくは手術日の午前中に、術中、術後の疼痛緩和の目的に行います。ただし、硬膜外麻酔を施行できない場合は、個々の状況に応じた他の鎮痛方法を検討します。
- 手術当日、子宮動脈塞栓術はカテーテル治療を専門とするIVR(interventional radiology)医が行っています。塞栓物質(エンボスフィア)を使用するためには100例の動脈塞栓術の経験が必要とされており、IVR医はこの手技に習熟しています。
- 術後の入院管理:腹痛、発熱、嘔気、嘔吐、全身倦怠、食欲不振(塞栓後症候群)が約56%に起こります。入院により症状緩和を行います。特に腹痛、発熱の持続は数日から2週間程度続くこともあり、個人差があります。
- 術後外来管理:治療効果の判定と合併症管理をします。MRIを1ヶ月後と6ヶ月後に行い治療効果を判定します。
子宮頸部がん予防
ワクチン
子宮頸部がんとは?
国立がんセンターの資料によると、子宮頸部がんは、25歳ぐらいから発症する方が増え始め、40歳前後でもっとも多くなります。若い方の発症の多いことが特徴です。
原因は感染症
子宮頸部がんは、発がん性ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染によって発症する場合がほとんどです。HPVは性行為により感染し、多くの女性が一生のうちに一度は感染すると言われています。しかし、HPVに感染した人がすべて子宮頸部がんになるのではなく、多くの場合には感染は一時的でありHPVは自然に排除され治癒します。排除されずに長期間の感染が続くと徐々に感染された細胞が異型細胞となり、数年から十数年かけて子宮頸部がんを発症するケースが出てきます。さらに、昨今の性交渉開始時期の若年化により、子宮頸部がん発症のさらなる若年化がおきてきます。また、HPVに対しての抗体は作られにくく、繰り返し感染するケースも知られています。
ワクチンの効果について
HPVには多くのタイプがありますが、その中で発がん性をもっているのはごく一部です。中でもHPV16と18が発がん性HPV全体の6割以上を占めています。今回、認可されたワクチンは、そのHPV16と18に対する抗体を作ります。それにより、子宮頚部がんの60~70%を防ぐことができるといわれています。しかしこのワクチンは、現在感染している状態の人のHPVを駆除することはできませんし、病状を遅らせるということもできません。先ほども述べたように自然排除されることもありますので再感染を防げること、また、HPV16に感染していた場合でもさらにHPV18に感染する可能性もあるのでそれを防ぐこともできます。既感染の人に対してワクチン接種を行っても副作用が強く出ることはないので、現在感染している可能性がある人にも接種することが勧められます。
ワクチン接種推奨年齢について
第一に、性交経験の可能性が低くHPVに未感染と考えられる10~14歳がもっともワクチン接種を推奨される年齢です。第二に、子宮頚部がんのリスクやHPV感染の危険性の高い若年者~中年者の15~45歳が推奨です。また、45歳までの女性に対しての有効性が示されており、55歳までの女性に対する安全性が確認されています。なお、高齢者への安全性や有効性は確立されていない状態です。
ワクチンは3回接種が必要です
問診票を書いていただき、体温の異常がなければワクチンを筋肉注射します。1回目を接種してから1ヵ月後に2回目を、さらに1回目から6ヶ月後に3回目を接種します。ワクチンは1回だけではHPVに対する抗体が十分にはできません。そのため3回の接種が必要となります。
子宮がん検診をお勧めください
ワクチンを接種したらもう子宮頸がんにならないかというとそうではありません。わずかながらHPV以外が原因の子宮頸がんも存在するため、早期発見のために子宮頸部がん検診を定期的に今後も受ける必要性があります。また、その機会に卵巣がんのチェックや乳がん検査なども一緒に受けていただくことをお勧めします。
子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)の受け方
接種対象 | 10歳以上の女性 |
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費用 | 一般の方/(1回 )15,000円 みみはら健康友の会会員/(1回 )13,500円 |
- このワクチンは、3回接種していただかなければ効果が期待できません。
- ワクチン入荷に数日かかります。申し訳ありませんが、接種希望日の1週間ぐらい前にお電話をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
- 中学生までの方は、みみはら高砂クリニック・小児科でも接種することができます。
お問い合わせ
- 耳原総合病院/072-241-0501(代表)
- みみはら高砂クリニック/072-241-4990(代表)
「子宮頸がんワクチン予約の件」とお伝えください。
お問い合わせ時間:月曜日~金曜日(14:00~16:30)
[関連リンク]
- 産婦人科の実際Vol.59 No.4 559-573 615-628
ウーマンズ
ヘルスケア
ウーマンズヘルスケアとは?
更年期障害・心身症・産後うつ病・月経前緊張症・卵巣機能不全などは、心身の失調により日常生活に支障がでる病状です。また、大腸がん、肺がん、子宮体がん、骨粗鬆症、脂質異常症、高血圧、循環器疾患、脳血管疾患、アルツハイマー病などは、閉経時期から増加してくる疾患です。ウーマンズヘルスケアは、女性特有の病状を総合的に緩和・予防することをいいます。
当科ではウーマンズヘルスケア専門医による治療を受けることができます。ホルモン療法、漢方療法、心身医学的療法などを組み合わせて、個々の特性に応じた治療法を構築します。