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社会医療法人 同仁会 耳原総合病院

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泌尿器科 前立腺がん

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提供:タカイ医科工業株式会社

最先端の前立腺生検

従来の生検法の約2倍のがん検出率
より患者さまの体の負担少なく、より早く 次の治療段階へ

超音波画像下前立腺生検機器「バイオジェット」

前立腺生検とは

PSA値測定で値が高く、MRI・直腸診・超音波検査などの2次検査によって前立腺がんの可能性が疑われる場合、前立腺生検が行われます。

前立腺生検では、まず肛門から超音波を出す機械を挿入し(左図)、前立腺を観察しながら生検針を刺して前立腺組織を6ヶ所以上採取し、採取した細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞の有無を調査します。前立腺生検査の結果、前立腺がんではなかった場合は、定期的な検査で経過を観察します。前立腺がんと診断された場合は、他臓器への転移がないかを調べるため、CTなどによりがんの進行度を確認します。

従来型生検(系統的生検)とバイオジェットによる先進的生検(標的生検)の違い

超音波診断機だけではよほど大きながんでなければ見ることはできず、多くの場合、前立腺の位置と生検針しか確認することができません。こうしたがんの疑われる部位を正確に事前予測できない中、前立腺全体にまんべんなく複数個所生検針を刺し組織を採取して診断するのが従来型の「系統的生検」です。

これに対して、今回当院で導入した「バイオジェット」による「標的生検」という手法は、事前にMRI画像を撮影することで、がんができている部位をあらかじめ確認し、前立腺に生検針を刺す際の超音波画像にソフトウェア上で事前のMRI画像(がんの疑いのある部位が特定できた画像)を重ね合わせた画像イメージを合成し、針を刺すべき場所を教えてくれるシステムです。これにより、効率よく正確に疑わしい部位から組織を採取することができます。

こうした画像融合による診断機は日本にも数種類ありますが、その中でも有効性の高さにより「バイオジェット」は唯一、2016年2月に厚生労働省に先進医療として認可されました。

日本国内で700症例以上、EUを中心に海外でも2,000症例以上の実績のある機械です。

前立腺生検を正確に行う意義

従来型の生検では、1度の生検で見つからなかった場合でも、がん組織が無かったのではなく、たまたま針にがん組織が当たらなかったという可能性もありえます。

※生検針ががん組織にたまたま当たらなかった場合のイメージ;
 この場合、「がんではない」という診断結果になってしまいます

本当にがんでなければよいのですが、引き続きPSAが高値で2次検査で再びがんの疑いが出てしまうと、複数回前立腺生検を受けることになり、ようやく前立腺がんが見つかった時には症状が進んでしまっていた、という事態も考えられます。

前立腺生検は患者さまへの侵襲(手術による痛み・出血・発熱などのこと)を伴うことに加え、時間とコストを要しますが、「バイオジェット」による、より正確な前立腺生検を行うことで、たび重なる不要な生検を回避したり、前立腺がんをなるべく1度の生検で発見し、次の治療段階に早く進めることが可能になります。

前立腺がんは目立った自覚症状がない場合が多いため、生検で陽性と診断されるまでは見つからない場合が多くあります。がんが疑われる場合はなるべく正確な生検方法による診断を受けられることをお勧めします。