2023/06/09
『実践 SDH診療』
できることから始める健康の社会的決定要因への取り組み
監修:日本プライマリ・ケア学会
編著:近藤尚己 京都大学大学院医学研究科 社会疫学分野 主任教授/
東京大学未来ビジョン研究センター 特任教授
西村真紀 川崎セツルメント診療所
出版:中外医学社 サイトに飛びます
価格:4,600円(+税)
帯より
「格差が広がるなか、患者さんだけでなく医師も助かる視点を得られる」 武田裕子先生
目の前の患者の背景にあるSDH(健康の社会的決定要因)に気づく重要性が叫ばれています.SDHを日常臨床に取り入れることは難題ですが,個別アプローチ・地域アプローチ,社会的処方,社会的バイタルサインなどを通して,日々のモヤモヤに対処できる切り口が見つかるはずです.ジェネラリストとパブリックヘルスの研究者が力を集結させて作り上げた本書から,多様な生きづらさを抱える患者について考えるヒントをぜひ探し出してください.
第2章 患者の事例から考えるSDH への対応
[5]男性 部分を大矢医師が執筆しております
WHO(世界保健機構)が推奨する「HPH=health promotion and healthのservices」の中心的な考え方が「SDH=Social Determinants Of Health」です。「健康の社会的決定要因」と略されます。
また当院も健康増進活動拠点病院として加盟しています。HPHについて
「診断、治療」だけでなく「健康増進に取り組むことも大きな役割」であることが求められています。患者さんや地域の方だけではなく、働くスタッフの健康にも関わります。
また健康増進に取り組むためには、何が阻害要因か?何が健康づくりを妨げているのか、を知らなければなりません。健康は遺伝子や生活習慣など、生物学的要因だけでなく、「環境」特に「社会的要因」も大きいとするのがSDHの考え方です。