初期研修について

指導医インタビュー

耳原総合病院で研修指導に携わる医師のひとり、
大矢医師に医療現場で働くとは? 研修医になったら?
医学生へのメッセージなど ざっくばらんにインタビューしました。

研修指導に関わることになったきっかけは?

私が研修3年目の時に外の病院に勉強に行かせて頂いたんですね。そこがすごく研修とか教育に力をいれていて、教えるって面白いなと思ったのと、耳原総合病院も研修医を受け入れ続けるためには指導に携わる人が必要だというのもあり、そのあたりが丁度マッチして帰ってきて。ちょっとだけICUで勉強した後は、そのまま研修病棟で勤務しています。

研修医と接するうえで気をつけていることは?

立場で言うと研修医と指導医となるんですけど、それよりもチームで一緒によりよい医療を提供することを意識しています。そのなかで研修医には学べるものを学んでほしいと思っています。
みんなで良い医療を提供する意識は2年間でだいたい一致してくる。仲間が出来て、それぞれが頑張ってそういう医療を少しでも広げていく。そういうのが少しづつでも広がっていくのはすごいやりがいあるというか、良いなって思いますね。

先生の研修医時代はどんな感じでした?

結構自由にやらせてもらいました。私はあんまり要領が良くないのでトントンとできなくて、一つ一つ悩みながら前に進んでいった2年間でした。それを指導医の先生たちがある程度任せてくれて、でもしんどい時はサポートしてくれるというように、いい距離感で過ごさせてもらったなと思っています。自分もそういう風にできればいいなと思いますけど、なかなか難しいですね。

学生時代は?

ひたすらラグビーをやっていました。良いメンバーに恵まれてその人たちと一緒に大学時代を過ごせたっていうのが大きかったです。達成感も得られました。学生時代に何かにおもいっきり打ち込むっていうのは、なんでもいいと思ってるんですけど、スポーツでもボランティアでもなんでも。将来働く時に何か繋がる、意味があると思いますね。学生・研修医時代には自分を知るというか自分に合ったものを探すことが大事かな―と言う気がします。自分はどんな時が楽しいか、やりがいを持てるのかなど、そういうのを知っておくのは働く上でも大事だし、自分を知るじゃないですけど、分かればいいのかなって思いますけどね。

研修医に必要なものとは?

医師免許取って医師になってしまったら、やりがいも大変さも含めて人の人生に関わる仕事に就いたという、そういう覚悟はこの2年間で身につけてほしいと個人的には思っています。 初期・後期研修が終わって自分の道に進みだすと、そもそもの医者を目指した時の最初の気持ちを忘れてしまいそうになるんですね。いつでもちゃんと初心に戻れるように初期の2年間の覚悟を忘れず頑張って欲しいなって思っています。 僕なんかは逆に研修医とずっと一緒にいるので、そういうのを毎年思い出させてくれるというか。研修医たちがすごく真摯な姿勢で患者さんと向き合う姿を見ているとその度に自分もそうだったなって思いだして、またそうせなアカンなって思わせてくれるというか。それはすごくいいなって思います。

真摯な姿勢で患者さんに向きあう
研修医の姿に、初心に戻らなアカンなって思います。

研修医から逆に学ぶことがあると?

それはいっぱいありますね。大学は最先端の事をやっているので聞くと勉強にもなるし、でもやっぱり、医者になりたての頃の医療に向かう姿勢というのが僕は一番学べるというか教えてもらってるなって思いますね。

民医連の医師になって良かったですか?

良かったと思いますね。例えどんな設備があったとしてもそれを使う集団、人間が良い仲間でなければ良い医療は提供できないと思うんですよね。民医連はみんなで良い医療を提供しようという事がハッキリ理念に書いてあるので、そこに向かってみんなで頑張る組織にいることは医師として働く上でいいなと思っています。

最後に一言お願いします

そうですね。楽しくとか面白くとか、やっばり大事だなと思います。面白くないことってなかなか続かないと思うんです。でも、やりがいとかって必ずしも求めて得られるというものでもなくて、偶然の出会いとかたまたま読んだ本とか、たまたま担当した患者さんをきっかけにとかあるんですよね。それがいつ来るか分からないから、常にアンテナだけは張っておいてですね、どんな医師になるのか、どうやったらなれるのかをいつも持っておいて、いい出会いとかチャンスを逃さずにいてほしいです。
僕もまだこれからそういう大きな出会いがあるかもしれないですし。学生さんとか研修医の先生にもそういうことを意識して生活を送ってほしいなって思います。